地方移住時の住宅事情|古民家だけじゃない!アパート暮らしの意外な魅力

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地方移住を考えるとき、気になるのが「どんな家に住むか」という住宅事情。
人口数千人規模の中山間地ともなると、街中の不動産情報とはだいぶ様子が違い、イメージしづらい方も多いでしょう。

田舎暮らしと言えば、「広い土地付きの古民家での生活」を思い浮かべる方が多いかもしれません。確かにそれも魅力的ですが、いきなり古民家を手に入れるのはリスクもあります。
そこで今回は、地方移住後の住宅選択肢の中から、意外なおすすめ「アパート暮らし」に焦点を当て、その隠れたメリットをご紹介します。


中山間地の住宅事情は意外と多様

私の住む町を例にとってみても、住宅事情は「古民家一択」ではありません。代表的なタイプを挙げると──

  1. 古くからの一軒家(古民家)
    築80〜120年といった物件も多く、平屋建てが主流。外観は古風でも内装は改装されているケースが多いです。地域の方と仲良くなって、中を見せていただくのも楽しみの1つです。
  2. 比較的新しい一軒家
    地元工務店や都市部のハウスメーカーによる注文住宅。二世帯住宅を建てる家族も意外といます。庭付きの家も多く、こだわりの住宅も多く見られます。
  3. アパート
    中山間地にも意外と多く、土地活用の一環として建てられています。そのため比較的新しいものが定期的に建築されます。学校の先生や単身赴任の男性などのほか、若い夫婦が住むことも多いです。
  4. 公営住宅
    住宅困窮者向けに自治体が供給する物件。築30年前後の建物が多く、家賃は比較的安めです。

このように選択肢は幅広く、最初から「古民家」と決め打ちする必要はありません。


アパート暮らしの隠れたメリット

「せっかく移住するのにアパートじゃ味気ない」と思う方もいるかもしれません。
ですが、実は移住初期の住まいとしてアパートは非常に優秀です。その理由をもう少し深く見てみましょう。

まず、家賃が安くて広いというのは大きな魅力です。都市部の賃貸では、6畳1Kで7~8万円というケースも珍しくありませんが、地方のアパートでは3〜5万円程度で、ゆとりの間取りが手に入るケースも多くあります。私が最初に借りた部屋は、家賃4万5千円で41㎡の2DK。夫婦二人で使っても余裕があり、家具の配置や趣味のスペースを確保する楽しみも味わえました。

さらに、地方ならではの環境がプラスされることもあります。窓からの眺めが山や田畑という物件も多く、毎朝、キジの鳴き声を聞きながら目覚めるということも。私の住んでいたアパートでは、大家さんの畑が目の前にあり、その一角を借りて家庭菜園を始めました。季節ごとの野菜を育てながら、畑仕事のコツを大家さんから教わる──そんな暮らしは、都市部ではなかなか得られないものです。

また、自治会への加入を求められにくいのも、移住初期には意外とありがたいポイントです。地域活動に積極的に関わるかどうかは、住んでみないと判断できません。アパート暮らしであれば、まずは生活のペースを整えつつ、地域の雰囲気をゆっくり観察できます。

そして何より、自分に合った地域と理想の住まいを探す時間が持てること。自治体の中でも地区ごとに文化や人間関係は異なります。アパートを拠点にあちこちの地域を訪ね歩き、「この人たちとならうまくやっていけそう」という感覚を掴んでから、長く住む家を選ぶ──これも賢い移住戦略のひとつです。


アパート暮らしの注意点

もちろん、アパート暮らしにも留意すべき点はあります。最大のポイントは、人間関係を築くきっかけが少なくなりがちなことです。自治会加入の求められにくいということは、地域行事への参加も自分から動かない限りほとんどありません。
移住を成功させるためには、地域とのつながりが欠かせませんから、近所の店やイベントなどに意識的に顔を出すことが大切です。

ただし、特にお子さんがいる家庭では、学校や保育園を通じて自然と人とのつながりが生まれます。アパート暮らしだからといって孤立するわけではありません。むしろ、自分のペースで関係を作れる分、移住初期の精神的な負担を減らすことができます。


まとめ

地方移住というと古民家暮らしを想像しがちですが、アパートを拠点に始めるという選択肢には、

  • 移住初期の経済的な負担を抑えられる
  • ゆとりある広さで生活しながら、田舎の良さを享受できる
  • 地域や住まい探しの猶予期間が持てる

といったメリットがあります。
「移住の第一歩」としてアパート暮らしを選ぶことは、決して味気ない妥協ではなく、むしろ賢く安全なスタートと言えるでしょう。ぜひ、移住を考える際の選択肢の1つとしてみてください。
なお、アパート暮らし後の住宅選択肢にはどのようなものがあるのかについては、また記事を改めてご紹介できればと思います。

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