公務員という選択肢~パートタイム任用職員というリアルな働き方~

公務員 仕事と暮らしのバランス
公務員

地方移住を考えるとき、「公務員」という働き方を選択肢に入れている方は、そう多くないかもしれません。

「なんだか縁遠い存在」「試験が難しそう」「そもそも何をしているのかわからない」といった印象を持っている方も多いのではないでしょうか。
でも実は、公務員にもいろいろな形があり、中には移住後の働き方として現実的で魅力的なものもあるのです。

特におすすめしたいのが、「パートタイム任用職員」という働き方。
この記事では、その全体像と、意外なメリットをご紹介します。


年齢制限は緩和、チャンスは広がっている

少し前まで、公務員試験には厳しい年齢制限がありました。
私自身、28歳で今の町に移住した当時、「公務員になるなら今しかない」と試験を受けたのを覚えています。

しかし今では、年齢制限は大きく緩和されています。
県庁で30〜35歳程度、市町村では40歳前後まで受験可能なケースも増え、社会人経験者枠を設けている自治体もあります。

つまり、民間からの転職や移住後の再スタートとしても、「公務員」は以前よりもずっと現実的な選択肢になっているのです。


公務員にもいろいろな「形」がある

「公務員」と一口に言っても、その働き方にはいくつかのバリエーションがあります。以下に代表的なものをまとめてみました。

任用形態概要
正規職員(一般職・総合職)通年雇用。異動や昇任制度もあり、長期的なキャリア形成が可能。
会計年度任用職員年度単位の任用。事務補助から専門職まで多様。パート・フルタイムあり。
特別職公務員選挙や特命で任命される職。議員、参与、教育委員などが該当。
任期付職員特定の業務に期間限定で従事。民間出身者の起用も多い。

注目は「会計年度任用職員」、特にパートタイム

移住後の働き方として、最も現実的で選択肢になりやすいのが「会計年度任用職員」、とりわけパートタイム任用職員です。

会計年度任用職員とは?

2019年度からスタートした制度で、旧・臨時職員や非常勤職員を一本化したものです。
雇用は原則1年ごとの更新制で、試験もそこまで厳しいものではありません。

任用される業務も多岐にわたり、事務補助だけでなく、

  • 小中学校の校務員
  • 学童保育の支援員(午後のみなどの短時間勤務も多い)
  • 自治体が管理する公園の管理人
  • 幼稚園や保育園の補助スタッフ
  • 地域おこし協力隊(任用形態としてこの制度が使われる場合も)

など、「人手不足を補う」「地域密着型の仕事を担う」という役割を果たしています。


実は、副業OK!パートタイム任用の魅力

正規の公務員は副業が禁止されていますが、パートタイム任用職員は副業が可能です。
これが大きなポイント。

つまり、自分の本業(たとえばフリーランスの仕事や農業など)を持ちながら、地域に関わる仕事で収入を補うという二足のわらじスタイルが可能なのです。

たとえば、

  • 午後だけ学童支援員として働く
  • 週に数日、公園管理を担う
  • 季節業務の一部だけ手伝う

といった柔軟な働き方が選べます。

しかも、地域の人や行政とのつながりができるので、移住後の人間関係構築にも役立ちます。


気になる待遇は?応募方法は?

自治体によって待遇は異なりますが、フルタイムの会計任用職員で年収200〜300万円程度のところが多いのではないでしょうか。当然、パートタイムであれば、勤務日数によって変動します。
公務員とは言っても、決して高い給与水準とはいえませんので、そこはあらかじめ割り切って考える必要があります。

ただし、有給休暇や賞与など、正規職員と同等の制度が適用されますので、雇用条件はしっかりしていると言えるでしょう。また、一年単位の採用ではあるものの、継続して雇用して貰えるパターンも多いです。

募集情報は、市町村の公式サイトに掲載されていることが多いです。
「○○市 会計年度任用職員 募集」などと検索してみると、具体的な求人が出てくることも。


「知らない」はもったいない選択肢

「パートタイム任用職員」という働き方は、意外と知られていません。
でも、移住後の働き方や暮らし方を考えるうえで、この制度を知っているかどうかで選択肢の幅は大きく変わります。

収入の補填だけでなく、地域に関わるきっかけとしても非常に有効。
地方移住を考えている方は、ぜひ一度、移住候補地の自治体サイトで「会計年度任用職員」の募集情報をのぞいてみてください。


ちなみに「地方議員」も…?

最後に少しだけ触れておくと、実は「特別職公務員」にあたる地方議員も、働き方のひとつとして挙げることができます。
「まさか自分が…」と思うかもしれませんが、地方だからこそ、意外と現実的な選択肢になり得るのです。

このテーマについては、また別の記事でご紹介したいと思います。

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