
田舎で暮らしてみたいと思うけど、買い物が相当不便になるような気がするんですよね。実際、皆さん、どうしているの?

都会の買い物事情に慣れていると、田舎の買い物事情ってほんと、想像しづらいですよね。お店の数も移動手段も。物価が安いっていうけど本当なのかなとか。
都会ではコンビニもスーパーもドラッグストアも徒歩圏内にひしめいていて、「とりあえず出かければ何とかなる」安心感がありますよね。でも田舎では、その当たり前が当たり前ではなくなります。
とはいえ、田舎の買い物事情って本当にそんなに不便なんでしょうか?
今回は、私が中山間地域で暮らしてきた実体験をもとに、田舎ならではの買い物事情を少し詳しくご紹介したいと思います。
- 「田舎の買い物=不便」というイメージが強く、不安を感じている人
- 移住後の生活を具体的に想像するときに、「買い物」をネックに感じてしまう人
- 都会との違いを知りつつ、その環境を前向きに楽しめる方法を探している人
- 田舎の買い物に潜む“意外な楽しさ”や“工夫の余地”に気づける
- 地域ならではの買い物スタイルから、新しい暮らしの豊かさを発見できる
- 移住後の毎日を「不便」ではなく「ちょっとワクワクする時間」として楽しむヒントを得られる
地域によって全然違う「買い物事情」
まず最初にお伝えしておきたいのは、「田舎」とひとことで言っても、その中身は実にさまざまだということです。
地方都市と中山間地域では、店の数も種類もまったく違いますし、車の有無や交通手段によっても利便性は大きく変わります。
この記事では、私が暮らす“中山間地域”のケースをベースにご紹介しますので、ある意味で「都会とは真逆」の暮らし方と思っていただければと思います。
おそらく、多くの地方移住希望者の移住先は、このケースと都会の中間あたりに位置するのではないでしょうか。

いわゆる「トカイナカ」と呼ばれるような地方都市であれば、買い物の利便性という点では都会とそれほど変わりません。勿論、流行りの店の有無など、その質の部分では差が出てしまうという印象ですが。
実体験:私の3つの買い物スタイル

私の買い物スタイルを、次の3つのパターンに分類してご紹介します。
それぞれ、生活リズムの中での位置付けや特徴も異なりますので、究極の田舎が暮らしの買い物事情をイメージしやすいかと思います。
(今回、オンラインショッピングは除外しています。)
- 日常の買い物:スーパーやコンビニ、地元商店での買い物・食事
- 大きめな買い物:量販店やチェーン店への買い出し
- 特別な買い物:地方都市のショッピングセンターなどでの買い物
① 日常の買い物は「遠そうだけど実は近い」
いちばん頻度が高いのが、食材や日用品といった日常的な買い物です。
私の住む地域でも、車で5~15分圏内にスーパーやコンビニはあります。都会に比べると“徒歩圏”ではないため、一見すると「遠く」感じますが、車がある前提で言えば、時間的な不便さはそれほど感じません。
実際、都会にいたころのコンビニやスーパーと時間的距離の差は感じないというのが実感です。この感覚は、よほどのへき地でない限り、概ね共通しているのではないでしょうか。
ただし、品ぞろえは都会と比べるとやっぱり少なめ。加えて、値段もやや高めの傾向があります。特に都会の激安スーパーと比べると、価格差を感じることもあります。
でもその一方で、地元の魚屋さんや肉屋さん、パン屋さんといった専門店では、価格は高めでも本当に美味しいものが手に入ります。都会のチェーン店ではなかなか味わえない“本物の味”に出会えるのが、田舎ならではの魅力です。
ちなみに、野菜の直売所は例外的に安くて新鮮。農家さんが朝採れを並べていることもあり、都市部では考えられないような値段で手に入ります。

日常のちょっとした買い物は、よほどのへき地でない限り、そこまで不便は感じないと思います。ただ、品ぞろえや価格帯に恵まれているとは言えないので、結果的に足を延ばして買い物に行くという②のパターンが中心になることもあるあるですね。
② まとめ買い+ウィンドウショッピングは「ちょっとしたお出かけ」
次に、「日常よりちょっと大きめの買い物」。例えば家電、洋服、スポーツ用品などに加えて、日用品を安くまとめ買いしておこうというパターンがこれに当たります。
こうした買い物は、車で20~40分ほどの場所(近郊の他市町村)にある量販店や郊外型ショッピング施設を目指すことになります。
このくらいの距離になると、「今日は買い出しに行くぞ」と日程を決めて出かけるパターンも多く、ちょっとしたお出かけイベントになります。子どもたちを連れて行く場合などは、ついでに公園に出かけるなど、レクリエーションをセットにして予定を立てることも。
頻度としては、月1~2回という感じでしょうか。
ただ、飲食店の選択肢はかなり限られています。
この点については、当然、地域差というのもあるかもしれませんが、都市部の選択肢の量に慣れてしまうと、地方の飲食店事情というのが一番、ギャップを感じるのではないでしょうか。

たとえば私の家の近くでは、車で行けるチェーン店は「すき家」や「幸楽苑」くらいで、最寄りのマクドナルドまでは車で1時間かかります。
宅配ピザは当然、配達圏内にはありませんので、たまに来るキッチンカーは大人気になりますね。
③ 特別な買い物は「プチ旅行気分」
スーツやよそ行きの服、旅行カバン、スポーツ用品など、年に数回しか必要ない“特別な買い物”は、地方都市のショッピングモールまで足を伸ばします。移動時間は、片道60~90分が相場。
つまり、1日がかりのイベントになります。
このレベルになると、飲食店も一気に選択肢が広がりますし、ちょっとした観光気分で楽しめるのも魅力のひとつ。お寿司を食べたり、話題のカフェに寄ってみたり、「買い物+外食」で充実した休日になることも多いです。

行先は地方の主要都市ということが多いですね。
片道60~90分を前提とすると、結構選択肢はありますので、テレビで特集された地域を訪れてみよう!という感じで行先を決めることも多いですね。レジャーのついでに買い物という感覚かも。
都市部と田舎、本当に“便利・不便”で片づけていい?

やっぱり、買い物は車が必須なのね。
でも、車で1時間もかかる場所までいかないと買い物出来ないなんて…不便すぎるでしょ!

車で1時間と聞くと、随分遠い気がすると思いますが、考えてみてください。都市部でも、最寄駅から繁華街まで30分〜60分かけて移動していませんか?
満員電車に揺られ、乗り換えしてようやくたどり着く……。それって、実は田舎の“車で1時間”とそう変わらないかもしれません。
田舎は確かに「選択肢の少なさ」は否めません。取り扱っている商品のバリエーションや価格帯の幅は、都会にはかないません。
でもその一方で、田舎ならではの“買い物の良さ”もあるんです。
田舎の買い物、ここが良い!

都会の買い物と比べた時に、田舎ならではの良さと感じる部分をいくつか紹介しますね。
どれも些細なようで、買い物の楽しさに直結する要素だと思います。
- 車でまとめ買いができる
一度の買い物で運べる量は、都会の買い物とは比べ物になりません
車に積むことさえできれば、重いもの、大きいものでも気兼ねなく買えるのは大きな利点。当然、郵送料を気にする必要はありません。
荷物が増えてきたら、車に積み込んでおくことも出来るので、荷物を抱えて右往左往・・・なんてこともなくなります。 - 駐車場が広い・無料
都会での車移動の一番のストレスは、駐車場探しではないでしょうか。
ナビとにらめっこしながら、「あの角を曲がれば」と思った先の駐車場が満車だったり、極狭だったり・・・。
田舎は車社会なので、駐車場で困るということはあまりありません。原則無料であることが多いので、お財布にも優しいですね。 - 移動時間が“自分の時間”になる
公共交通機関でも、音楽を聴いたり動画を見たりという楽しみ方がありますが、完全なプライベート空間である車の中は、より快適です。
スピーカーから流れる音楽をみんなで楽しんだり、歌ったり、お菓子を食べたり、おしゃべりしたり。周りの目を気にせず自由に振舞えるのは、車移動ならではのメリットですね。 - 寄り道も自由
車の移動は、時間にもルートにも縛られないという特徴があります。
ですから、ふと気になった場所に、ふらりと立ち寄るなんて楽しみ方は日常茶飯事。
移動時間がデッドタイムではなく、買い物の目的自体にもなりうるというのは言い過ぎでしょうか?

確かに都会とは買い物についてのイメージ自体が違うと考えた方が良いかもしれないですね。
どちらのスタイルがお好みか、と考えても良い気がします。
まとめ:田舎の買い物は「不便」じゃなくて「スタイルの違い」
いかがでしたか?
田舎の買い物は「不便」か「便利」か、という単純な話ではありません。
都会の買い物スタイルとは全く異なるだけで、田舎には田舎なりのリズムと工夫があります。
もちろん、慣れるまでは戸惑うこともあります。ですが、それは新しい暮らしを楽しむ“ひとつの要素”でもあるのではないでしょうか。
田舎に移住を考えている方は、ぜひその地域の買い物環境を事前にリサーチしてみてください。そして、「この地域ならこの買い物スタイルでいけそうだな」と自分なりのイメージを持っておくと、移住後のギャップも少なくなるはずです。
“都会的な便利さ”だけで測らずに、田舎の買い物スタイルを前向きに楽しむ視点を持っていただけたらうれしいです。
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